2004年05月31日
エプソンが大画面の液晶プロジェクションTV
サイズ57型と47型、1インチ1万円を割る
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:シャープ、セイコーエプソン、ソニー

 セイコーエプソンは31日、大画面液晶プロジェクションテレビ「リビングステーション」を、子会社のエプソンダイレクト社を通じて発売した。今回はELS−57P1、57型(56万円)とELS−47P1、47型(46万円)の2機種で、向う1年間に両機種合わせて1万台を販売する計画。
 
 また、エプソンダイレクトが一般家庭、企業・官庁・病院から注文を受けダイレクトに販売する計画で、当面、関東地区と長野県を対象とする。とくにリアプロジェクション方式で高解像度化した大画面が明るく、しかも消費電力が低いのが特徴。画面サイズ1インチ当たり1万円を切る価格は世界でも初めてとしている。
 
 現在、ホームテレビ市場では放送やDVDなどの映像コンテンツのデジタル化、ハイビジョン化が急速に進んでいる。これに対応する高解像の大画面テレビのニーズが高まっている。同社は昨年、2007年に向けての中長期基本構想「SE07」を制定して、デジタル情報社会に対する画像と映像の融合領域でイメージングソリューションを提供してきたが、同製品はその一環。

 リビングステーションにはプラズマや直視型液晶テレビに比べて、高精細な大画面を低価格で実現できる液晶プロジェクション技術が採用されている。基幹デバイスに高温ポリシリコン液晶パネルを3枚使った3LCD技術が生かされている。
 
 エプソンはビジネス用プロジェクターのトップメーカー。画像を見て、刷って、蓄積できると3点を強調している。代理店を通さず、ダイレクト販売としたのは、プロジェクションテレビが日本ではまだ認知されていないための配慮。
 
 同社では2003年の液晶テレビ需要が220万台、プラズマテレビが240万台だったが、2006年にはそれぞれ670万台、600万台に伸びるとみている。これに対しプロジェクションテレビは、先行している米国が昨年で350万台(全世界の約70%)、これに中国が続く状況。わが国では同社のほかシャープ、三菱電機、ソニーなどが生産、市場の開拓に力を入れている。


●リビングステーションの仕様
http://www.chem-t.com/fax/images/0601epson.tif


●リアプロジェクション(背面投射型)テレビ
 世界の生産では米国が主流。テレビの下部に設置した小型表示装置で作った画像を、レンズやミラーを使って光学的に拡大、スクリーン背面に投射する。

 従来はブラウン管での表示が主流だったが、ここへきて液晶やデジタルライトプロセッシング素子(DLP)を使ったものが製品化されている。

 画面の対角サイズが50インチ以上と大型化が可能。ブラウン管より高精細化でき、コストも安い。