2004年06月07日
三井化学、アセトン等の溶剤も再値上げへ
6月14日出荷分から平均10%引き上げ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は7日、アセトン、MIBK、IPAのフェノール系溶剤3品種の価格を再修正することにしたと発表した。上げ幅は、アセトンがキログラム当たり12円。MIBKは同16円。IPAは同10円。いずれもほぼ10%の値上げとなる。3品目とも6月14日出荷分から新価格に切り替えることにしている。

 今回の値上げは、今年2月から3月にかけて実施したケースと同様に原料ナフサの高騰分を製品価格に転嫁することを目的としたもの。同社は前回の値上げで、ナフサ1キロリットル当たり2万7,000円見合いの価格体系を確立している。

 しかし、その後もナフサ価格は上昇し、このため同社では第3四半期の国産ナフサ価格が3万3,000円になるのが確実との判断を固めている。予想通りにいくとナフサ1キロリットル当たり6,000円見合い、プロピレン1キログラム当たり12円のコストアップが必至なので採算維持のため製品のコストアップ分を各製品の原単価に転嫁せざるを得ないというのが同社の説明である。

 同じ理由から輸出価格も6月後半積み分から再修正することにしている。アセトンはトン当たり120ドル上げてCFR850ドル、MIBKは160ドル引き上げて1,140ドルに、IPAは100ドル上げて800ドルにそれぞれ改める。

 これら溶剤の需給バランスは中国を中心としたアジア各国の需要の拡大によってアジア全域でタイト化している。今後も欧米からの流入が縮小する見通しもあって逼迫状態の長期化は避けられないと見られている。