2004年06月08日
特許庁報告「光触媒技術に特許戦略の構築・強化が必要」
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:特許庁

 経産省・特許庁は、このほど2003年度の特許出願動向と題するレポートをまとめたが、このなかで「光触媒」技術をテーマに、「日本発の革新的技術である」としたあと「この技術を産業化に活かすためにも世界的な特許戦略の構築・強化が必要だ」など、今後の課題について要旨以下の通り報告した。
 
【光触媒について】
(1)日本発の革新的技術であり、研究開発、ビジネス面でも日本が世界をリードしている。
◇1972年の東京大学のグループによる「本多・藤嶋効果」、1997年の東京大学と東陶機器グループによる「光励起超親水性化効果」のNATURE誌発表に代表されるように、光触媒は「日本発の革新的技術」である。また、産・学連携の成功例の一つでもある。
◇市場規模、特許件数、論文件数なども日本が圧倒的に世界をリードしている。

(2)光触媒技術の今後
<用途開発の拡大>
 今後、光触媒応用製品の上市へ研究開発がシフト化するのに伴い、世界レベルで過酷な競争状態に突入する。日本では、東京大学、産業技術総合研究所などを中心に、産・学・官による基礎研究ー応用研究の連携を効果的に行い、世界をリードすべきである。
 
<環境技術への応用>
大気中・水中・土壌中の有害物質、細菌等を太陽光、室内光で分解する環境関連技術、光触媒の光励起超親水性化効果を用いた地球環境温暖化防止技術等、光触媒技術と環境関連技術の融合により大市場が展開されると予測できる。
 
<評価技術の主導的推進>
光触媒活性について、性能評価に関する試験法の標準化(JIS国内標準及びISO国際標準)を早急に推進し、国際的標準化において主導的役割を果たすべきである。

<特許戦略の構築・強化>
基本特許・応用技術特許の取得による日本の出願人の特許優位、商品開発・産業化の先行による産業優位な立場を活かし、世界的な特許戦略及び事業戦略を構築・強化していく必要がある。