2004年06月08日
SMの6月の輸出価格、トン910ドルにアップ
需要が中国はじめアジア全域で引き続き好調
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ケミカルズ

 出光石油化学、旭化成ケミカルズなどわが国のSM(スチレンモノマー)メーカーの6月の輸出価格はトン当たり平均910ドルに引き上げられた。5月の価格を30〜40ドル上回っている。コントラクトものも、スポットものもほぼ同じレベルとなっている。
 
 アジア地域における最近のSMの価格は、ベンゼンの国際相場に連動するかたちで変動している。4月にはベンゼンの急騰に連動して同900ドルの大台に乗ったが、その後ベンゼンの国際相場が反落するとそれに歩調を合わせて下降線をたどり、5月の平均は870ドル前後まで下がった。それが6月に入って盛り返したのは、中国のPS向けをはじめとしたアジア全域の需要が引き続き好調で、しかも米国からのSMの流入が原料高によって大幅に縮小してきたことによって需給バランスが一段と逼迫してきたためと見られる。
 
 もっとも、SMメーカーの多くは7月の輸出価格はもう一段の改善が必要と主張している。これは、ベンゼンの米国のコントラクトプライスがポンド当たり4セント引き上げられて26セントになったのと、ナフサの高騰で6月以降のエチレン価格の再騰が必至の見通しになってきたことによるもの。