2004年06月11日
BPAのアジア相場が軒並み続伸
米国のメーカーも値上げを表明
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 ビスフェノール-A(BPA)のアジア地域の相場が6月に入って一段高となってきた。極東ならびに東南アジア諸国の直近のCFR価格は、エポキシ樹脂用がトン当たり1,350ドル、ポリカーボネート用が1,200〜1,280ドルで、エポキシ樹脂用は1週間前に比べて30ドル、PC用は第1・四半期に比較して平均90ドル高となっている。
 
 これは、わが国のBPAメーカー各社が原料プロピレンとベンゼンの高騰に対応してアジア各地の需要家各社に値上げの受け入れを強く求めてきたのが容認されていることによるもの。もっとも三井化学などでは、各種原料価格が引き続き上昇中なので今後も製品値上げを続けていかざるを得ないとしている。差し当たり、PC用はこのままいくと採算割れが必至なため、第3・四半期の輸出価格を少なくとも1,400ドルに引き上げたいと説明している。
 BPAについては、米国でもGEやスノコなどのBPAメーカーが原料価格の上昇に対処すべく7月からトン200ドルの値上げを実施する旨を表明している。現在の世界全体の需給の逼迫度合いから判断すると新価格が市場に浸透する公算は極めて濃厚と言える。
 そうなると、すでに現在でも世界で最も低いレベルとなっている日本国内のBPA価格と海外相場との格差は一段と広がることになる。