2004年06月14日 |
慶大助教授が内分泌かく乱化学物質問題で新提案 |
リスクコミュニケーションGL案を厚労省に示す |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:厚生労働省 |
厚生労働省が14日に開催した「第15回内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会」で吉川肇子・慶大助教授から新たな提案が行われ、同席の専門家や傍聴の関係者の注目を集めた。 吉川助教授がこの日の会合で提示したのは「内分泌かく乱化学物質のリスクコミュニケーションガイドライン案」。当日の会合は、合計15人の専門家がこれまで進めてきた内分泌かく乱化学物質に関する各自の研究の結果を聴取することを目的に開催されたもので、吉川助教授も、同物質のリスクコミュニケーションについての実証的な検討結果を発表したが、同時に独自にまとめたガイドライン案も提示して厚生労働省に検討を促した。 同助教授は、「内分泌かく乱化学物質に対応していくに当たっては、(1)専門家の意表をつく新しい概念と新しい危険物質であるかも知れないという仮説があること(2)内分泌かく乱化学物質という化学物質群が存在するという誤解があること(3)従来の科学的手法では予測できない、科学的に決着のつきにくい知見があること(4)膨大な既存の化学物質について、評価の見直しが求められ得るという対応上の難しさがあること--等の点を十分に念頭に置いてそのリスクについて正確な情報を最大限活用しつつ国民の健康的な生活に貢献するようにしていくことが国に取っては極めて重要」と指摘している。 そして、提供すべき情報の内容として(1)同化学物質問題の背景と基礎知識(2)化学物質のリスク評価(3)同化学物質のかく乱の実態と現在分かっていることと分かっていないこと等(4)同物質のリスクとリスク低減(5)行政の取組み(6)同問題についての調査・研究の内容(7)情報の提供と問い合わせ先--の計7項目を挙げている。 また厚労省には、今年度後半に公開シンポジウムを開催してガイドラインを完成させるよう要望している。 |