2004年06月16日
広州市が南沙開発区の発展計画など説明
国際自動車基地目指すトヨタ。石油化学も
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:セイコーエプソン、ソニー、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ

 中国広州市は同市対外貿易経済局の袁越副局長を団長とする訪日代表団を派遣、14日、都内のホテルで「広州市経済投資説明会」を開いた。 

 一行は自動車および部品を中心とする広州南沙開発区(珠江デルタ内)の発展計画や広州開発区、広州経済技術開発区、広州高新技術産業開発区、広州保税区、広州輸出加工区などの取り組みを説明、企業参加を求めるとともに、広州新白雲国際空港(ことし6月28日に開港)や2010年の広州アジア大会(シンガポール、マレーシア、フィリピンなど10か国が参加)などの計画を説明した。問い合わせは国際貿易促進協会、TEL/03-3506-8271。

 広州市は中国の三大経済地域のひとつである華南地区にあり、珠江デルタ地帯をかかえる。上海、北京に次ぐ経済力を持ち、昨年のGDPは前年比15%増の418億ドル。ことしの1〜3月では40億2,200万ドル(前年同期比27%増)となった。人口は1,015万人(常住720万人)。市民1人当たりのGDPは5,000ドル強。面積は7,434平方キロメートル。2007年のGDPは1,700億元(1元は13円)と予想されている。

 主な産業は自動車、情報・電子、石油化学、機械、造船、製鉄、医薬、食品と幅広い。自動車は完成車(中型バスを含む)でホンダ、日産自動車、トヨタ自動車などの日系、欧米系を含め13社が進出している。05年の生産は50万台(昨年は19万台)、10年は100万台(目標150万台)を予想。ことしの計画ではホンダ24万台、日産12万台、トヨタは来年生産開始(南沙でエンジン年50万台、完成車30万台)。

 携帯電話、DVD、家電、電子機器などは年率20%以上の成長が見込まれている。日系では、ソニー、セイコーエプソン、カシオなど。石油は現有の年産770万トンを1,800万トン、石油化学は年産20万トンを100万トンに増強する計画で、石油化学では英蘭シェルが進出をきめている。工作機械、生物医薬の増強にも力を入れている。電力は372万3,000キロワットが2007年に1,022キロワットに拡大される。労働力は毎年1,000万人が供給され、給与は月約100ドルである。大学は64校、毎年30万人が卒業する。

 なお、南沙地区は面積797平方キロメートル、このうち536平方キロメートルが第1期として開発、第3期まで計画。とくに同区では“国際自動車産業園”が建設され、完成車、部品のほか研究所、物流施設、総合サービス機能が設置される予定。港湾でも世界のハブ港10位以内を目指す計画が進められている。ことしの9月には10万トン級のバース4基が完成する。