2004年06月16日 |
旭化成ケミ、スペシャリティ事業を大幅拡充へ |
08年の売上げを04年の2倍の2000億円に |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ケミカルズ |
旭化成ケミカルズは16日、スペシャリティー事業部門の中期拡大戦略の概要を発表した。それによると、04年度において1,000億円となる見込み(02年度は750億円)の同業部門の売上げ高を08年度には約2,000億円に拡大する計画。営業利益率については、04年度の見込みの15%(02年度は11%)を少しでも上回るようにしたいと説明している。中間の15年度の目標としては、売上高1,100億円、営業利益率17%を掲げている。 このような思い切った積極拡大策を展開していくことにした背景について、近藤専務は「スペシャリティー事業で先発大手を追い上げていくには、視点を従来の‘利益拡大’重視から‘売上高拡大’に移して、利益をキープしつつ売上げ高を積極的に拡大していく戦略の実行が不可欠と判断したから」と説明、加えて「現在の企業化製品の多くは、膜事業をはじめ、世界あるいは日本でナンバーワンのシェアを確保していてしかも今後もなお成長が期待できるもので占められているので、目標は十分クリアしていける」実現に対する強い自信のほども示した。 拡大戦略の概要は以下の通り。 (1)膜環境事業の強化・拡大 当社得意の領域でありスペシャリティ事業部門群のコアである膜事業(ハイポア、マイクローザ、交換膜、水処理・電気透析)の売上高を02年度の200億円から1,000億円に拡大する。 (2)システム事業の拡大 感光剤、化薬、システム型・ソリューション型のビジネスを強化し、収益事業の付加価値アップを図る。 (3)成長市場での事業拡大 IT・自動車関連分野向けの高機能材料(デュラネート、アルミペースト等)やヘルスケア市場関連製品(セオラス、セルフィア)の拡大を図る。 (4)設備増強の積極的推進 ハイポアの設備をコン年末に年産1,200万平方メートル増設して合計5,800万平方メートルとするほか、マイクローザの供給能力も5割増とするなど戦略製品の設備をスピーディに拡充する。 (5)グローバル展開の推進 欧米を中心に、技術の特徴や強みを生かせる高機能材料とシステム事業を拡大する。セオラス、ハイポア、デュラネート、エポキシ、サランラテックス、マイクローザ、感光剤などは海外進出も視野に入れていく。 |