2001年11月09日 |
MMA光ファイバー、欧州車相次ぎ採用へ |
住宅用も期待大きい |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:旭化成、東レ、三菱レイヨン |
プラスチック光ファイバー(POF)を自動車内のマルチメディアLANのケーブルに使った独BMWの7シリーズ車がことしの東京モーターショーに展示(幕張メッセ、9月27日~11月7日)されて注目を集めた。 この光ファイバーはポリメチルメタアクリレート(PMMA)。メーカーは世界で三菱レイヨン、東レ、旭化成の三社しかないというから、向う1、2年で相次ぎ採用するとみられている独アウディ、フォルクスワーゲン、仏プジョーなどの欧州車や3年後以降の米国、日本車メーカーなどから関心がよせられるのは当然といえる。 POFは従来のメタル系(銅線)に比べノイズが少なく軽量という特徴を持つ。そして廃棄処理が簡単なこともあって環境にやさしい。軽量なのは1本の光ファイバーを多目的に使えるためで、メタル系のように何本ものケーブルを束ねる必要がない。さらにケーブルが60~80メートル(メタル系4メートル強)と長くなって使い易い。 POFはダイムラーベンツ車が昨年、一部の車に採用したが、同社の規格(D2B)だったこともあって一般に普及するまでに至らなかった。これに対しBMWは欧州の新規格としてつくられたモースト(MOST)を採用。この規格では1秒当たりの情報伝達量が24.5bps とD2B(4.5bps)の約5倍になっており、欧州車が今後、積極的に採用する動きになっている。日本と米国はIEEE1394b規格を目下、最終的に詰めている段階なので、自動車や家電での採用には2、3年かかるとみられている。 なお、日本メーカー3社のPMMA光ファイバーは現在、全世界での販売額が60億~70億円ていどとみられるものの、家電や自動車用に次いで住宅、事務所用も商品化される見通しで、大きなマーケットに成長しそうである。 |