2004年06月17日
積水化成品、リサイクルEPSをシャープに納入開始
液晶テレビの包装材としての採用が始まる
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:シャープ、積水化成品工業

 積水化成品工業は17日、廃家電のリサイクルポリスチレンを活用した同社特有の発泡性ビーズ(商品名・エプスレムERX)の成形品がシャープの45インチ液晶テレビ「AQUOS」の包装材として採用されることになったので、シャープ向けに納入を開始したと発表した。
 
 エプスレムERXは、廃家電から排出される発泡スチロールなどスチレン系プラスチックを発泡スチロールビーズ(EPS)に再生したもの。同社が世界に先駆けて開発に成功した製品で、対衝撃性が従来のリサイクルビーズを上回ること、通常のEPS成形機で容易に成形できること、発泡倍数が60倍まで幅広く対応できることーーなどが大きな特徴。

 同社では、これを家電製品の包装材として普及させていけば、家電製品→消費者→廃棄→廃家電処理工場→「エプスレムERX」→家電製品包装材--といった一定の流れに沿ってスチレン系包装材の循環を促すことができ、廃プラスチックのクローズド・リサイクルシステム全体の構築にも大きく寄与していけると判断して市場開拓を進めてきていたもの。

 これに対してユーザーの家電メーカーの間でも、廃家電製品のリサイクル品である再生EPSを自社製品の包装材に利用していくことは環境政策面から捉えても大きな意味があると判断して同製品に注目するところが増えていた。それだけに今回のシャープの採用は、今後の家電業界全体への普及に大きな弾みをつけることになりそう。
 
 積水化成品では、他の家電メーカーに対しても積極的に受注活動を展開していくと同時に、包装材以外の構造部材の需要開拓にも取り組んでいく考え。また、中国や東南アジアなど海外における市場も開拓していきたいとしている。今年度の販売目標は1億円。06年度は30億円。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/04617002.tif

写真
http://www.chem-t.com/fax/images/0617sekisuika.jpg