2004年06月21日
三井化学、BPAの2次値上げ交渉を相次ぎ決着
PCメーカーからは“満額回答”、輸出価格も是正
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、先週末までにPC(ポリカーボネート)メーカー大手からBPA(ビスフェノール-A)の2次値上げを受け入れるとの回答を得たことを21日明らかにした。同社が希望していた幅の値上げがほぼそのまま認められることになった模様。

 EX(エポキシ樹脂)メーカーや塗料メーカーなどPCメーカー以外のユーザーとの交渉も進展しており、今週中にもこれらのユーザーからも同様の回答が得られる見通しにあると述べている。

 今回の同社のBPAの価格修正は、第3・四半期のナフサ価格がキロリットル当たり少なくとも3万1,000円、国内のベンゼン価格がキログラム当たり79円にそれぞれ引き上げられるとの判断に基づいて6月1日出荷分以降の価格をキログラム16円底上げすることにしていたもの。それに対して、最大消費先のPC大手メーカーが同15円(ほぼ9%)の値上げの受け入れを表明したことで全面決着の見通しがついてきたと言える。

 これは、PCとEXの需要が中国をはじめとしたアジア全域で予想以上の伸びを遂げてきたことに伴い、同地域全体のBPAの需給バランスが一段と逼迫してきたことによるもの。台湾の南亜化学と長春石油化学の両社の新・増設が大幅な遅れをきたしていることも少なからず需給タイト化を促す要因になっていると見られる。

 このためアジア地域の価格も急速に底上げされている。今年第1・四半期の平均CFR価格はトン当たり1,100ドルであったが、現在は1,250ドル平均となっており、第3・四半期には1,400ドルにアップするのが確実の見通しにある。

 一方、三井化学ではEXの価格修正にも取り組んでいるが、この場合もアジア全域の需給が逼迫の度合いを強めているので交渉は順調に進展しているという。国内向けはキログラム19円の値上げを目指していく。アジア地域向けの第2・四半期の輸出価格は、第1・四半期よりトン当たり400ドル高の1,850ドルにすでに改善されている。