2004年06月23日
大洋塩ビの7月の対中輸出価格、815〜820ドルに決定
調整局面に入ったものの、前年同月比は200〜210ドル高
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:大洋塩ビ

 大洋塩ビはこのほど、中国のPVC加工企業大手との間で同樹脂の7月分の輸出価格交渉をまとめた。取り引きの規模によって若干異なるが、トン当たりCFR815ドル〜820ドルの範囲内とすることで合意した。6月の価格に対しては同35〜40ドルダウンということになる。もっとも、最大のシェアを持つ台湾・FPCの契約価格を10〜20ドル上回るレベルではある。
 
 今回の値下げは、昨年6月から今年3月まで長期にわたって続いてきた値上げによって中国の加工企業の多くが極度の採算不振に陥りはじめた点と、中国政府の加熱景気の引き締め策に伴って塩ビ加工産業全体の生産活動も調整局面を迎えるに至っている点とを考慮して中国側の値下げ要求をあるていど受け入れることにしたことによるもの。とはいえ、前年同月の価格に比べると同200〜210ドル高い。これには、中国の需要の拡大とわが国のPVCメーカーの思い切った設備処理によるアジア地域全体の需給バランスの改善が大きく作用してきたといえる。