2004年06月28日
三井化学、フェノールとアニリンの第2次価格改定も決着
7月早々にはBZの急騰でさらに10円を値上げへ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は28日、フェノールとアニリンの第2次値上げ交渉がともに決着したと発表した。

 今回はいずれも2段階に分けての実施となり、フェノールの場合は6月16日から6月30日までの出荷分をキログラム当たり10円、7月1日以降の出荷分を同13円それぞれ引き上げることで大手フェノール樹脂メーカー3社の同意を得た。

 一方のアニリンについては、6月16日〜30日分を同10円、7月1日以降分を同15円値上げすることでMDIメーカーの了承を取り付けた。

 今回の値上げは、国産ナフサの価格がキロリットル当たり3,000円に、そしてベンゼンの国際指標価格である米国のコントラクトプライスがガロン当たり50セントそれぞれ上昇したことに対応してのもの。上げ幅については、同社が当初に打ち出した額をフェノールで1円、アニリンで3円下回り、また実施時期も約一ヶ月の遅れとなるが、この点について同社では、今年に入って早くも2度目の値上げなので、あるていど譲歩せざるを得なかったと説明している。

 もっとも、原料ナフサとベンゼンの国際相場はともに6月に入って一層の上昇を続けており、したがって7〜9月期に同社が入手する原料価格はもう一段の値上がりが避けられない見通しにある。

 同社では、国産ナフサ価格がキロリットル当たり3万3,000円に、一方のベンゼンのUS・PCが安いケースでもガロン当たり280セント、場合によっては300セントに跳ね上がると予想しており、このためフェノールの国内価格をキログラム当たりさらにあと10円引き上げざるを得ないとしている。国内におけるベンゼンの価格は現在より10円上がって88円になると判断している。7月早々にも第3次分として10円の値上げを打ち出すのが確実と見られる。

 この場合、フェノール樹脂メーカーなど需要家各社は、1〜3次トータルでキログラム当たり約40円の原料価格のアップの受け入れを余儀なくされるわけであり、このため早急に製品価格の修正に踏み切らざるを得なくなりそう。