2004年06月28日
フェノールの輸出価格改善進む、トン1,000ドル台に
アジア地域向けはトン1,030ドルに
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 フェノールメ−カーによる価格改訂は海外向けも順調に進展、最大手の三井化学によると、28日現在のアジア地域向け輸出価格の平均はトン当たりCIF1,000ドルの大台をわずかながらも突破して1,030ドルとなった。
 
 同社の4月30日時点における平均価格は同950ドルであったので、2ヶ月で80ドル上がったことになる。同社が当初目指していた上げ幅を10ドル上回っている。第1・四半期の平均に比べると170ドルのアップである。
 これは、世界全体でフェノールの需給が一段と逼迫してきたことによるもの。需要はアジアのみならず欧米でもフェノール樹脂向けやビスフェノール-A向けを中心に大きく伸びているが、一方の供給量は、台湾のFCFCと長春石化の新増設の大幅な遅れと日本における定修の集中が重なって世界全体で総需要量を下回る事態となっている。このため、ナフサやベンゼンの大幅な高騰に対処してフェノール各社が打ち出した価格修正が国内のみならず海外の需要家の間でも順調に受け入れられているもので、今後も海外相場はなお強含みで推移すると見られる。ちなみに、米国における現在のフェノールの価格はトン当たり970ドルだが、これをフェノール各社は近く1,150ドルに引き上げる旨を表明している。
 
 なお、関連製品のアニリンのアジア相場も底上げが進み、28日現在の三井化学の輸出CIF価格は4月末より50ドル上がって1,000ドルになっている。