2004年07月02日
蛭田・石化協会長が会見、新たな課題のクリアに意欲示す
保安自主基準の策定や国際連携の強化など具体策を明示
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:旭化成、石油化学工業協会

 1日に開催された石油化学工業協会の定時総会で正野寛治同協会会長の任期満了に伴い新会長に選任された蛭田史郎・旭化成社長は、総会後に記者会見し「宮脇一郎、小野峰雄の両副会長や各委員会のリーダーの方々のご支援・ご協力を十分に得ながら三つの新たな課題のクリアに微力を尽くたい」と抱負を述べた。
 
 蛭田新会長の発言内容は要旨次の通り。
1, 正野前会長は、日中石油化学定期会合やアジア石油化学工業会議の開催、さらには懸案のガスオイルの無税化や関係団体の統合等を着実に実現し石油化学産業の強化・発展に大きく貢献してこられた。深く感謝の意を表明したい。
 
1, しかし、わが国の石油化学業界を取り巻く環境はいぜん厳しく、引き続き石化産業が発展していくにはなお多くの課題を関係者全員の工夫と努力でクリアしていく必要がある。特に重要と言える課題は3点に集約できると言ってよい。

1, 一つは、保安・安全対策の充実・強化だ。具体策の一つとしては、消防法やコンビナート保安規則等を十分に念頭に置いての実効性に富んだ保安・安全の自主基準の策定に積極的に取り組んでいきたいと考えている。国際的にも整合性が評価される内容のものに仕上げたい。
 
1, 二つ目は、石化マーケットのグロ−バル化の進展への的確な対応だ。今年秋以降にインドや中国などで相次いで開催される国際会議や、当協会が横浜で来年開催するアジア石油化学会議などの場を活用して、わが国の石化企業や関連団体が海外の企業、関連団体と十分に意見や情報を交換し、連携を強化していきたい。新たな提携関係が構築できるよう寄与していきたい。
 
1, 三つ目は、より高効率な協会活動の展開だ。規制改革、中国のアンチダンピング提訴に対する的確な対応、税制改革など、対応を誤ると石化業界全体の発展が大きく阻害されることになりかねない問題が少なからず存在している。これらの点を十分に認識し、相互発展に微力を尽くしていきたい。