2004年07月05日
三菱化学、EOと各種誘導品を再値上げへ
7月出荷分からキロ10〜20円幅で実施
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は、各種原燃料の続騰に対処してEO(酸化エチレン)とその誘導品の価格を7月出荷分から再修正することにして需要家各社と折衝を開始した。
 
 対象は、EO、グリコールエーテル、EG(エチレングリコール)の3品目。上げ幅はEOがキログラム当たり(以下同)10円、グリコールエーテルが20円、EGが17円。アップ率は取り引き数量の規模によって異なり、EOの場合で最大15%から最小10%までの間、EGとグリコールエーテルの場合で15〜20%の範囲内となる。
 
 今回の再値上げは、今年2月に実施した価格修正が需要家各社の強い抵抗で狙い通りの幅での値上げとならず未達分を残したままとなっているのに加えて、第3・四半期のナフサ価格がキロリットル当たり3万1,000円超えまで再騰するなど原燃料価格の続騰が必至となってきたことに対応してのもの。
 EGについては、すでにアジア地域向け輸出価格が春先よりトン当たり130〜160ドル上がってCFR860〜880ドルとなっている点も踏まえて上げ幅をキログラム17円に設定した。
 
 このほか同社では、洗剤・界面活性剤原料のアルキルベンゼンやアルコールエトキシレート、さらには合成高級アルコールについても原料のベンゼンやノルマルパラフィンの高騰に対処して価格を修正すべく需要家各社と折衝を重ねている。目指す上げ幅は、アルキルベンゼンがキログラム当たり25円、アルコールエトキシレートと合成高級アルコールがともに20円となっている。
 いずれの製品も、アジア全域における需要の拡大とEO/EGプラントの世界各地におけるトラブルの続発ならびに定修の集中によって需給がかつてないほど逼迫している。このため、三菱化学では中国向けを中心とした海外からの引き合いや注文の多くを断って国内ユーザーに優先して製品を配分する政策を取っている。それだけに、今回のような原燃料の大幅な高騰に伴うコストアップ分の転嫁はどうしても認めてもらいたいと述べている。