2004年07月06日
ポリオレフィンの値上げ交渉、殆どの分野で決着
大手フィルムメーカーとの折衝も最終段階に
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:日本ポリプロ、三井化学

 三井化学、日本ポリプロなどポリオレフィン各社が加工メーカー各社との間で進めてきた2次値上げの交渉は、一部の需要家向けを除いて先週末までにほぼ決着となった。

 交渉がなお継続中なのは、大手フィルムメーカーとの間で進められているLDPE、HDPE、PPの3樹脂の汎用フィルム用品種。もっとも、これらの品種についてもフィルムメーカーは今回も原料事情からいって樹脂メーカーの値上げ要求を押し返すのは無理と判断しており、現在は上げ幅と実施時期を巡って双方が最終的なしのぎ合いの段階に入っているところ。早ければ今週中、遅くとも来週末までに決着する見通し。

 他の品種については、中空成形用、押出成形用、射出成形用のほとんどのグレードが決着済みとなっている。内外の需要の拡大と樹脂業界の定修の集中もあっての供給力不足から需給がこれまでになく逼迫してきている点が樹脂メーカー各社に有利に働いてきたと言える。上げ幅は、樹脂によってあるいは品種や取引数量の多寡によってまちまちだが、おおむね10%となる見込み。

 また、需給のタイト化を反映して、樹脂メーカーの多くが希望してきた“ナフサ・スライド制”の受け入れを表明する加工企業の数もここにきて順調に増えてきている。