2004年07月12日
住友化学、10月から新型PEの併産を開始
易加工性などの特徴を生かして新領域を開拓
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:住友化学、東ソー

 住友化学は10月から、子会社の千葉ポリエチレン・千葉工場で新型ポリエチレン(EPPE=イージー・プロセッシング・ポリエチレン)の併産を開始する。
 東ソーとの共同投資会社の千葉ポリエチレンがかねてから稼動中の年産10万トン能力のLDPEプラントを使って、触媒を切り替えながら既存のL-LDPEと併せて生産していく計画。当面の併産比率は、EPPEの市場開拓の進展状況に合わせて調整していくことになる。しかし、EPPEは市場からすでにかなり高い評価を受けているようなので、比較的早い時期に同設備による生産量の過半をEPPEで占めるように持っていくものと見られる。
 
 同社が新たに戦列に加えることにしているEPPEは、同社独自に確立したメタロセン触媒技術とガス・フェーズの重合技術による新タイプのポリエチレン。130〜140℃の低温で容易に製膜ができる点や優れた強度と透明性を併せ持つ点などが大きな特徴とされる。
 現在住友化学では、特定の需要家を主な対象にしてサンプルを提供し、ユーザー評価を確認中のところだが、自動車部品やIT関連部品の包装材料として必要な機能と経済性を備えていると評価する向きが多いという。
 同社では、易加工性など同樹脂特有の品質面の強みをフルに活かせる分野に的を絞るかたちで新市場を開拓していく考え。将来は、現有設備をEPPE専用に転換することになろう。