2004年07月14日 |
DIC、住友化学から繊維加工用樹脂事業の営業権譲受 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:住友化学、大日本インキ化学工業 |
大日本インキ化学工業(DIC)は14日、住友化学との間で同社がもっている国内の繊維加工用樹脂に関する営業権を10月1日付で譲り受けることで基本合意したと発表した。 グリオキザール樹脂やメラミン樹脂、それらの硬化剤(触媒)などの繊維加工用樹脂は、主にワイシャツなど形態安定加工やエリなどの硬仕上げ加工に用いられているが、これらの衣料品は、中国などから大量に輸入され、厳しい価格競争下にある。国内の繊維メーカーの海外シフト化もあり、同樹脂の国内市場は、この10年でほぼ半減している。 こうした状況から、同事業の継続には抜本的な再構築が不可欠として、両社間の基本合意となった。住友化学は事業再編の一環としなり、DICは製品ラインアップの拡充や事業強化に結びつくと判断した。 住友化学の繊維加工用樹脂事業は年間販売量2,000トンで、事業規模は4億円。DICは譲り受け後年間5,000トン、年商約10億円となり、国内シェアの約60%を占める。 譲り受けた製品はいずれも、同社の既存設備で対応でき、美川工場や関係会社の北日本ディックなどで生産を行う予定。また、インドネシアや台湾、タイなどのアジアの関係会社でも繊維加工用樹脂を生産、中国でも江蘇省張家港市に生産拠点を建設している。今後は国内の安定供給だけでなく、成長市場である海外事業も積極展開していく方針である。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/0714dic.pdf |