2004年07月14日
アセトンの値上げ交渉が決着、キロ10円アップ
ナフサ価格の上昇分の転嫁を需要家各社が容認
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学が14日に明らかにしたところによると、アセトンの第2次価格交渉がこのほど決着した。上げ幅はキログラム10円。7月1日出荷分から新価格に切り替えられる。
 
 今回の値上げは3月に続く今年2度目となるもの。当初同社では同12円の値上げを表明、実施時期は6月14日からを予定していた。同社では、第3・四半期のナフサ価格が前回の値上げの決着時のキロリットル当たり2万7,000円から3万3,000円にアップすると判断してキログラム12円の値上げを打ち出していたもの。それが実際には上げ幅を同10円に縮小することで決着となったのは、ナフサ価格が当初の関係者が予想していたほどの上昇とならず、同3万1,000円となる公算が濃厚となってきたことによる。
 アセトンの場合も、各種溶剤の需要が旺盛なのに加えてフェノール・アセトンメーカーの定修の集中や台湾のフェノール・アセトン企業の新増設の遅れが重なって需給バランスはこれまでなく逼迫している。このため今回の値上げに対しても、多くのユーザーが原料の安定確保を優先する政策を取らざるを得ず、加えて三井化学など供給側各社が上げ幅を下方修正してきたこともあって前回に続いて要求を受け入れることにしたもの。