2004年07月21日
昭電、アセチル製品の輸出価格をさらに引き上げ
国内価格の再修正の交渉も大詰め
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工はアセチル製品すべての輸出価格を再度引き上げることにして、アジア各国の需要家と折衝を開始した。

 出発原料のナフサとメタノールの高騰分を製品価格に転嫁するのが目的で、酢酸については第3・四半期分を、酢酸エチルと酢酸ビニル場合は8月の船積み分をそれぞれ再値上げする。

 酢酸については、現在、第2・四半期のリストプライスをトン当たり50ドル引き上げるべく中国や東南アジア各国の需要家と交渉中で、月内にはほぼ狙い通りの上げ幅で多くのユーザーの同意を得られる見通しにあるという。しかし原料価格が第3・四半期も続騰となるのが確実なため第3・四半期分はさらに50ドル引き上げたいとしている。CFR790ドルが目標。大手のセラニーズも第2・四半期と第3・四半期の2期合計で同90ドル上げたい意向を表明している。

 酢エチの場合は、現在の780〜810ドルを最低でも850ドルに上げたい考え。また、酢ビについては現在の915〜935ドルを1,000ドルの大台に乗せる計画。

 いずれの製品も需要が中国やアセアン各国で順調に拡大しており、このため需給がアジア全域でかつてないほどの逼迫状態にある。それだけに同社では、極力早期決着を図りたいとしている。また同社では、国内価格についても2次値上げの交渉を各需要家と進めているところ。上げ幅はキロ10円で、現在は話し合いの最終段階に入っているという。