2004年07月26日
L-LDPEのアジア相場がさらに高騰
8月のCFR価格は930〜940ドルに
【カテゴリー】:市況
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 L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)のアジア相場が急騰してきた。シンガポール、日本、サウジアラビアなどの大手L-LDPEメーカーと中国や東南アジア地域の需要家各社との間で進められていた8月の納入分の価格交渉は、CFR価格をトン当たり930〜940ドルとすることで先週末に決着した。透明品種は940ドル、一般品種は930ドルとなる。
 
 これを7月に比べると40ドルのアップとなる。6月に比較すると60ドル高い。他のポリオレフィンの値上げ交渉は需要家各社の抵抗が強いため難航気味だが、L-LDPEの場合は世界的な需給の逼迫感の高まりがサプライヤー側に有利に働き、オファーがそのまま市場に受け入れられた。これには、アジア地域におけるエチレンのスポット相場が7月中旬に入って急騰してきたことも少なからず影響していると見られる。
 L-LDPEの需給バランスは、今年4月から5月にかけてサウジで年産45万トン能力の新プラント2基が相次いで稼動を開始したにもかかわらずタイト化が進んでいる。需要がアジア地域だけでなく欧米でも急拡大してきたことによるもので、日本でも、サウジ品に多くを依存してきた汎用フィルムメーカーが供給カットを通告されるなどの混乱が生じはじめている。