2004年07月26日
ガスオイルの試験採用がスタート
新日石はいち早く終了、9月以降に2社が続く
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:昭和電工、新日本石油、新日本石油化学、三井化学、三菱化学

 エチレンセンターの間でガスオイルの試験採用を実施するところが出始めた。試験採用に最初に踏み切ったのは新日本石油化学で、現在同社はその結果を入念に分析中。これに続いては昭和電工が大分で、また三菱化学が水島でそれぞれ秋口から試験採用を開始することになりそう。さらに山陽石油化学や三井化学も早急に計画を煮詰めて実行に移す構え。良好な結果が得られれば、わが国でも来年度から石化原料多様化の一環としてガスオイルの本格採用をスタートさせるところがいくつか出てくることになろう。

 新日本石油化学が今回の試験採用に使ったのは、川崎工場内で稼動中の合計12のナフサ分解炉のうちの3炉。うち1炉はチャージベースで日量300トン能力の装置。他の2炉はいずれも同500トン能力。親会社の新日本石油から供給を受けたガスオイルを使って6月いっぱい試用し、現在は、ガスオイルの採用によっていかなるメリットが得られるか、また解決すべき課題として何が挙げられるかといったことを詳細に分析・研究しているところ。

 昭和電工は、大分で稼動中の合計17炉のうちの大型炉1基を使って9月にも実験を開始する計画。同社は現在もH-NGLやLPGなどを国際相場の変動に合わせて積極的に採用、多様化率は11センターの中で最高の24%に達している。この比率を大きく変える考えはないが、ガスオイルの価格次第で非ナフサ分の構成比をフレキシブルに変動させていきたいと説明している。

 三菱化学は、水島事業所の合計19炉のうちの同6万トン炉を使って今年秋中に実験する予定。結果が良ければ、すでにガスオイル専用に使えるタンクも保有しているので比較的早期に本格採用に移行するのではないかと見られている。一方の鹿島事業所では、05年末にガスオイルの使用も可能な分解炉を1炉増設することにしている。