2004年07月27日
アジアでオレフィンのオファー価格が暴騰
エチレンの唱え値に中にはトン1,000ドルも
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびにエチレンセンターが入手した情報によると、先週末以降アジア各地でオレフィンのオファー価格が暴騰している。エチレンの平均価格はトン当たり950ドルとなっており、一時は1000ドル唱え値も出た。プロピレンのオファーの平均は850ドルとなっている。

 今月半ばの価格は、エチレンが840〜900ドル、プロピレンが800〜820ドルであった。それがわずか10日足らずで急上昇したわけ。背景については商社も石化企業も明確に分析できないとしているが、先週に入って原油とナフサの国際スポット相場が再び上昇しはじめたこと、世界全体における石油化学製品の需要の拡大とアジア地域のエチレンプラントの定修の集中によって需給が一段とタイトになってきたことが誘発要因と見る向きが多い。

 しかし、現在のオレフィンのオファー価格は、ポリオレフィンをはじめとした主要誘導品の多くのアジア相場を大きく上回っている。今後は、これら誘導品の価格もあるていど上がっていく可能性はあるものの、中国をはじめとしたアジアの加工企業の多くがすでに現在でも厳しい経営状態に追い込まれているだけに、すんなりと受け入れるかとなると疑問といえそう。