2004年07月27日 |
環境省、BPAの内分泌撹乱作用の試験結果を発表 |
哺乳類への作用は認められず、魚類に対してもリスク低い |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:環境省 |
環境省は27日、「内分泌撹乱化学物質問題検討会」の平成16年度第一回会合を開き、BPA(ビスフェノ-ルA)の内分泌撹乱作用について関係専門機関で実施した試験の結果を報告した。 実施された試験は、(1)哺乳類を用いた人健康への内分泌撹乱作用の有無の試験(2)魚類を用いた生態系への内分泌撹乱作用の有無の試験--の2種類。 (1)の項目では、げっ歯類を用いた1世代試験と試験管内試験ならびに生体内試験の3種類の試験が行われた。その結果、低用量においては明らかな内分泌撹乱作用は認められなかったと結論している。ただし、最高用量では一般毒性と考えられる影響が認められたと付け加えている。 一方の(2)の試験では、メダカを用いたビテロジェニンアッセイとパーシャルライフサイクル試験ならびにフルライフサイクル試験の3種類の試験を実施、合わせて試験管内試験も行った。その結果、魚類に対しては内分泌撹乱作用を有することが推察されたとしている。ただし、「BPAの予測環境中濃度は今回の試験結果から推察された無影響濃度を下回っており、したがって現実的なリスクは“やや低い”、または“低い”と考えれる」とも報告している。 なお当日同省では、BPAのほか、p,p'-DDT、p,p'-DDDについての哺乳類試験の結果と、ヘキサクロロベンゼン、βー-ヘキサクロロシクロヘキサン、p,p-DDT、o,p'-DDTの各化学物質の魚類試験についての試験結果も明らかにした。前者の場合はいずれも低用量では内分泌撹乱作用は認められなったと説明した。後者の場合も、o,p'-DDTを除く3物質については同作用が認められなかったと報告している。 |