2004年08月03日
三井化学、フェノールの第3次値上げ幅を上方修正
BZの大幅続騰に対応、BPA等の関連製品も上げ幅を拡大
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、7月中旬に打ち出したフェノールならびに関連製品の第2次及び第3次価格修正の上げ幅をいずれも上方修正することにしたと3日発表した。
 
 今回あらためて打ち出した上げ幅は、
 ▽フェノール(第3次値上げ)=キログラム26円、(従来の打ち出し価格は15円)
 ▽アニリン(第3次値上げ)=同29円、(同18円)
 ▽BPA(ビスフェノール-A、第3次値上げ)=同33円、(同23円)
 ▽エポキシ樹脂(第2次値上げ)=同37円、(同30円)
 --となっている。7〜11円の幅での上方修正となる。適用開始時期については、いずれの製品も8月の出荷分からとしたい考え。
 
 同社が打ち出していた第3次ならびに第2次の値上げについては、7月末以降多くの需要家が"受け入れやむなし"との意向を表明しはじめていた。それにもかかわらず今回同社が最終決着を前に敢えて上げ幅の途中修正に踏み切ることにしたのは、主原料の一つのBZ(ベンゼン)の8月の価格が当初の予想を大きく上回るレベルに引き上げられることが確実となってきたためという。

 当初同社では、7〜9月期のBZの価格をキログラム93円と想定していた。米国のコントラクト価格(US・CP)の高騰によって、前回の値上げ決着時に比べて15円アップすると判断していたわけ。15円でもBZの場合は異例な高騰となる。ところが先週末、8月のUS・CPが7月のガロン当たり307セント(トン当たり920ドル)から385セント(同1155ドル)に引き上げられることが決定し、それに伴い国内のBZ価格が従来のキログラム当たり78円から一気に104円に跳ね上がることになった。

同社では、7〜9月期トータルの価格も同じくガロン385セント見合いの104円になると判断、したがって採算確保のためには先に打ち出した一連の値上げの幅を軒並み上方修正するほかなくなったと説明している。

 これに対するユーザーの反応は厳しい。しかし同社では、採算割れの出荷を続けるわけにはいかないので話し合いがまとまらない場合は、BZの購入量を減らしてPHと関連製品の減産に踏み切らざるを得ないとしている。減産幅は未定だとしているが、最大30%となりそう。
 
 なお同社では、これらの製品のアジア諸国向け輸出価格も早急に引き上げることにしている。PHについては、7月末でトン当たり1350ドル(6月は1030ドル)となっていたのを1350ドルに引き上げる。アニリンの場合は、7月末の1250ドルを1450〜1500ドルに修正する。BPの価格は、7月末の1650ドルを1750ドルに改める。EXについては、2100ドルを2200〜2300ドルに是正する計画。