2001年11月06日 |
酢酸のアジア地域の需給バランスが再びタイトに |
セラニーズのトラブルと韓国のPTA企業の定修終了で |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:昭和電工 |
国内の酢酸メーカーならびに大手商社筋によると、アジア市場における酢酸の需給バランスが11月入りとともに再びタイト化し始めた。 これは、シンガポール・セラニーズの年産50万トン能力の大型酢酸プラントが10月16日からトラブルのため運休していることと、韓国のPTAメーカーが10月に定修を終了して11月から稼動を再開したことによるもの。セラニーズのトラブルは、COガスプラントの故障によるものと伝えられている。 こうした中で日・米・欧の酢酸各社は、同地域における市況の建て直しに本腰を入れて取り組もうとしている。アジア市場の酢酸の市況(ただし中国をのぞく)は、需給バランスの緩みから7~9月期分が3・四半期ぶりに下落し、同期のリストプライスは前期よりトン当たりCRF20~30ドル安い同560~570ドルになり、10月以降もそのレベルのまま推移している。これに伴い現在は各社とも収支バランスの悪化に苦しんでおり、このため、ここにきての需給バランスの改善を機に値戻ししたいと考えているわけ。すでにセラニーズは10月出荷分にさかのぼって同30ドルの値上げをアナウンスしている。昭和電工など他の酢酸メーカーも、同様に今年上期のレベルまでの回復に全力を投入する構えにある。 |