2004年08月05日
VCMの対中輸出価格交渉、8月分は710〜720ドルで決着
5ヶ月ぶりに是正、PCVも大洋塩ビ等が9月分の引き上げへ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:大洋塩ビ、東ソー

 東ソーなど日本のVCM(塩ビモノマー)メーカーが中国のPVC(塩ビ樹脂)メーカーやトレーダー各社との間で進めていたVCMの8月納入分の価格交渉がこのほど決着した。トン当たりCFR710〜720ドルとすることで合意した。
 7月の価格に比べると同30ドルの引き上げとなる。VCMの対中輸出価格は今年3月の同760ドルをピークにその後じわじわと低下を続けてきた。8月分についても当初中国は7月の横並びを希望していたが、日本側各社が原料高を理由に値戻しを強く要求して押し切った。5ヶ月振りの値上げとなる。
 
 これを弾みに、大洋塩ビなどPVCメーカーも同樹脂の9月納入分の値上げに動く構えだ。ナフサの高騰に伴う原料コストアップ分を転嫁するのを目的に、近く同国の樹脂加工企業やトレーダー各社に対して同880ドルへの引き上げの受け入れを求めることになりそう。8月に比べると60〜70ドルの値上げとなる。実現すると今年のピークの3〜4月の水準まで戻ることになる。
 PVCトップメーカーの大洋塩ビは、同樹脂の減産に踏み切ることも十分覚悟したうえで中国側と折衝していくとしている。台湾のFPCも同様の戦略と伝えられる。