2004年08月06日
L-LDPEの輸入が4月以降急拡大
フィルム大手が積極的に手当てか
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の輸入が急拡大してきた。1〜3月期は前年同期とほぼ同じ規模にとどまっていたが、4月に入って急増、そして5月と6月も前年を大きく上回る状態が続いている。
 
 この半年の輸入通関数量は、1月が1万2,251トンで前年同月比89.8%、2月が1万267トンで同104.6%、3月が1万855トンで同106.9%、4月が1万3,968トンで同133.2%、5月が1万5,320トンで同129.6%、6月が1万3,324トンで同121.2%--となっている。1〜3月期と4〜6月期とでは数量の面でも前年に対する比率の面でも大きく様相が異なっている。
 こうした急激な変化について関係企業の間では、国内のL-LDPEメーカーの中で同樹脂の生産調整に踏み切るところが出てきたためフィルム大手メーカー等が急遽海外品の手当てに踏み切ったことが最大の要因と分析する向きが多い。特にC4コモノマーによる汎用品種の減産が大きく影響しているとの見方が多数を占めている。
 これは、採算を確保できない誘導品部門に対してオレフィンの供給量を厳しく制限する石化企業が相次ぐようになってきたことに起因してのものと見られる。これによって、今後L-LDPEのアジア地域向け相場がさらに上昇する公算が濃厚となってきたといえる。