2004年08月16日
中国の石化3センター来年スタート、ナフサ需給ひっ迫へ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:BASF

 中国では2005年に3つのナフサクラッカー(合計能力 230万トン)がスタートするが、これに伴い、中国は原料ナフサの輸出国から輸入国に変わり、アジアのナフサ需給が一層ひっ迫することが予想される。

 まず2005年3月に上海市漕費b篭莨絣ぅ吋潺〓襯僉璽〓両絣れ于弊侈〓醜〓SECCO、BP50%/Sinopec 30%/上海石化 20%)の90万トンエチレンがスタートする。

 次いで年央に南京市のBASF-YPC (BASF 50%/Sinopec+江蘇省 50%) の60万トンエチレンがスタート、11月には恵州市大亜湾経済技術開発区で中海シェル石油化学(シェル50%/中国海洋石油等 50%)の80万トンエチレンがスタートする。

 原料ナフサについては、SECCOの所要量は年300万トンで、うち 75%はSinopecの鎮海、高橋のリファイナリーから供給するが残り25%は輸入ナフサを使用する。BASF-YPCの所要量は200万トン、大部分は吉林のリファイナリーから供給するが、10%は輸入ナフサ使用。中海シェルは所要量265万トンで全量輸入ナフサを使用する。新設の3つのナフサクラッカー合計で765万トン/年のナフサが必要で、うち360万トンは輸入ナフサを使うこととなる。

 中国の既存の石化センターは原料ナフサを全量、国内の精油所から供給を受けている。これに加えて、中国は昨年113万トンのナフサを輸出していた。(うち95万トンは日本向け、残りは韓国)

 2005年以降は上記360万トンをインドや中東から手当てすることとなり、中国はネット輸入国に転じ、アジアのナフサ市場で日本や韓国と競合することとなる。

 この状況は2007年までは緩和されない。2007年以降、中国海洋石油(CNOOC)とSinopecの2つの精油所がスタートし、44万バレル/日の精油能力が追加される。

 CNOOCの21億ドルの24万バレル/日の広東省南部の精油所計画のFSは最近政府の承認を受けた。2007年末から2008年初めの完成を予定している。Sinopecの 山東省青島の20万バレル/日のプラントのFSも同様に最近政府の承認を受け、2006年末の完成を目指している。
(上海発=特約)