2004年08月17日
三井化学、PTAの対中輸出価格も引き上げへ
来週中にトン50ドルの値上げを表明か
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、フェノール関連製品に続いてPTAについても9月の中国向け輸出価格を是正する方針を固めた。来週半ばにも上げ幅を決定して中国の需要家やトレーダー各社に通告することになりそう。トン当たり50ドルの値上げに踏み切る公算が濃厚。
 
 中国のPTAの需要は、ポリエステル繊維向けを中心に今年に入っても着実な伸びを続けており、このため同国が毎月海外から持ち込むPTAの数量も引き続き前年を大きく上回るレベルで推移している。今年1〜6月の総輸入通関数量は前年同期比27.9%増の280万8,000トンに達し、国産数量を大きく上回っている。こうした中で三井化学はBPケミカルズに次ぐ2番目のシェアを確保、同国のポリエステル繊維産業の振興に大きく寄与している。
 ただし現在の輸出価格は、7〜8月が同繊維の不需要期にあたるため6月以降トン当たりCFR795ドルに据え置かれたままとなっている。
 一方、原料のPX(パラキシレン)の価格は7、8月とも続騰しており、9月分もトン70〜120ドル引き上げられて同870〜920ドルとなる見通しにある。このため三井化学では、採算を維持するにはPXのアップ分をそのまま輸出価格に転嫁せざるを得ないとして上げ幅の検討に入っているところ。
 9月からはポリエステル繊維の冬物の需要期が始まるとあってPTAの需給バランスは再び逼迫する見通しにあり、したがって価格修正が同国の市場で受け入れられる可能性はかなり高いと見られている。