2004年08月18日 |
昭和電工、熱電発電用「高性能素子」を開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:昭和電工 |
昭和電工は18日、熱エネルギーを直接電気に変換する熱電変換モジュールの心臓部品となる、高性能熱電素子を開発したと発表した。熱電素子の上部と下部に温度差をつけると、電位差が生じて電子が流れる現象を利用するもので、環境・エネルギー対策の一環として国内外で開発が進められている。 高性能熱電素子は、同社のレアアース事業で培った希土類焼結磁石合金製造技術、粉末冶金技術のノウハウを活かして開発した、La(ランタン)-Fe(鉄)-Sb(アンチモン)系の合金を使用しており、特徴は以下の通り。 (1) 希土類金属の中でも資源的な制約が少ない金属と、有害物質(Pb(鉛)、Te(テルル)等)を含まない金属を使用 (2) 連続製造が可能な急冷鋳造法の採用と粉砕・焼結技術の組み合わせにより、高い熱電変換効率を有する成分のみからなる合金での素子作製に成功 (3) 従来品(Pb-Te系合金の素子)と同等以上の発電性能を達成 (4) 700℃の高温領域まで使用可能 (温度差が大きいほど発電量も大) (5) 従来品(Pb-Te系合金の素子)と比較して原料コストが優位 (6)既存の希土類焼結磁石合金生産プロセス採用により、従来のバッチ式生産方式に比べ、低コストで工業的規模の量産が容易 同社は、2008年から熱電変換モジュールの本格量産を計画、2010年には20億円の売上規模を見込んでいる。 なお、同社は8月19日(木)に開催されるれる第一回熱電学会でこれらの成果を発表する。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/0818sdk.pdf |