2004年08月18日
三井化学、9月からビス-Aの出荷を削減へ
設備の不調と原料高で10〜15%カット
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は18日、ビスフェノール-A(BPA)の出荷量を9月からしばらくの間削減することになったと発表した。削減率は、既契約分の10〜15%とする考え。国内向けと中国を中心とした海外向けの両方を85〜90%に抑えることになる。期間は未定だとしている。
 
 理由として(1)大阪工場内の年産7万トン能力の設備と全額出資会社「MBS」のシンガポール工場における同21万トン設備の操業不調による生産量の縮小(2)原料ベンゼンの高騰による採算悪化--の2点を挙げている。
 大阪工場の設備の操業不調は、定修明けの稼動再開時に発生した小規模のメカニカルトラブルによるもので、8月8日から1週間運休となった。また、シンガポール工場の不調は、合計3系列のプラントの運転中に機器の小トラブルが生じたことによるもので、現在も引き続き低率操業を余儀なくされているという。
 
 もう一つの理由に挙げている採算悪化は、かねてからの採算是正と今春以降の度重なるベンゼンの高騰分の製品価格への転嫁とがまだ十分実現できていないことに伴うもの。赤字回避のためには高値のBZの購入量をできるだけ絞っていくほかなく、したがって販売量も調整していかざるを得ないと説明している。当面の販売削減量は月間3,000〜4,000トンとなる見通し。