2004年08月18日
BPAの輸出価格が急上昇、トン1,800〜1,850ドルに
アジア全域で需給が逼迫、3ヶ月で650ドルアップ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 ビスフェノール-A(BPA)のアジア地域のスポット相場が急騰してきた。直近のCFR価格は、ポリカーボネート(PC)向けがトン1,850ドル、エポキシ樹脂(EX)向けが同1,800ドルとなっている。
 いずれも3ヶ月で同650ドル上がったことになる。キログラムあたり70円のアップとなる。BPAの場合は、国内価格もこの春以降2度にわたって合計キロ25円引き上げられ、現在はキロ33円の第3次値上げの交渉の最終段階にきているところ。大口ユ−ザーの大手PCメーカーはBPAメーカーの要求をほぼ受け入れる意向を表明しているので、満額に近いレベルでの値上げが全ての分野で近日中に実現することになりそう。
 しかし、輸出価格の上げ幅はそれを大きく上回る規模となっており、しかも今後もアジア価格は引き続き上昇していく公算が濃厚というのが関係者に共通した見方となっている。これは、PCやEXの需要が中国を中心にアジア全域で急ピッチで拡大してきたことによって需給の逼迫度合いが一段と強まってきているからだ。台湾・南亜が年産10万トン能力のBPAプラントを最近稼動させたが、全体の需給バランスは依然としてタイトのまま推移しており、少なくとも来年春に大型設備2基が稼動するまでは逼迫状態が続くと見られている。