2004年08月24日
三井化学が日本初のOCUを完成、24日にオイルイン
プロピレン14万トン増産、9月1日に本格操業を予定
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東洋エンジニアリング、三井化学

 三井化学はかねて大阪工場内でプロピレンの増産に必要なOCU(オレフィンコンバージョン・ユニット)の建設工事を進めていたがこのほど完工したため総合チェックを経て24日にオイルインした。9月1日の本格操業入りが目標。
  
 この装置は、ブタジエンを含むクルードC4留分10万トンを水添したあとエチレン4万トンを加えて反応させ年間14万トンのプロピレンを得るというもの。今後は世界全体でプロピレン系製品の需要の拡大が必至と予想して大阪工場のオレフィンバランスの大幅な改善に踏み切ったもの。ルーマス社の技術(いわゆるメタセシス法)を採用、東洋エンジニアリングを主コントラクターに起用して工事を進めてきた。わが国でのメタセシス法の工業化はこれが初めてとなる。世界でも3番目。
 
 この結果、同社のプロピレン年間供給能力は大阪工場42万トン、千葉工場36万トン、京葉エチレンからの引取り量11万トンの合計89万トンとわが国有数の規模に拡大する。引き続き年間10数万トンは外部から購入する必要があるものの、今回のOCUの立ち上がりによるプロピレンの自給率の向上は同社の石油化学事業体質の強化に少なからず寄与していくことになりそう。
同工場のエチレンの生産能力は43万8,000トンとなる。
 なお同社では9月17日に現地で同装置の竣工披露式を開く予定。