2004年09月01日
三菱レイヨン、MMA成形材料の減産を実施
購入モノマーの高騰と入手難に対処して15%減
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 MMA成形材料の最大手メーカーである三菱レイヨンは、8月から実施している同製品の減産を9月も継続することを1日明らかにした。減産率としては、設備能力比15%を予定している。 
 原産の理由については、自社製品だけでは足りないためかねて外部から購入を続けている原料モノマーの入手が世界的な需給の逼迫と価格の高騰でここにきて極めて困難な状態となってきたことを挙げている。
 現在同社は、成形材料の生産設備を国内(富山と大竹)とタイと中国の3箇所に保有しており、年間生産能力は、国内4万4,000トン、タイ1万1,000トン、中国4万トンの合計9万5,000トンとなっている。うち中国の設備は今年1月から稼動を開始したばかり。今回の減産は、規模が小さいタイを除く日本国内と中国の設備を主な対象に実施するもの。8月は中国を中心に生産調整してきたが、9月は国内の設備を対象にしていく計画。
 
 同社によると、MMA成形材料の需要は内外ともに好調が持続していて、今年春にまとめた年間7%の成長予想を大きく上回るのが確実といえる状況にある。自動車部品向け、家電部品向け、メガネ向け等の需要が国内とアジア地域でともに活発化しており、しかも9月からしばらくは中国で米国向けクリスマス製品の生産・出荷がピークを迎えるとあってアジア全域の需給は一段と逼迫する見通しにある。こうした中での減産はこれまでのMMA成形材料の歴史では見られなかったこと。
 同社では、採算是正を目的に今年3月に続く製品値上げにも踏み切る構え。9月中旬には、キログラム25円の値上げを打ち出すことになりそう。また、輸出価格も現在のトン2,000ドル弱を12月までに2,300ドルていどまで引き上げたいとしている。