2002年05月24日
ポリオレフィンの価格交渉も進展
先ずは中・小口需要家への説得が奏効
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 ポリスチレンに続いてポリオレフィンの価格交渉もここにきて進展が見られ始めた。最大手の三井住友ポリオレフィンによると、先ずは中・小口ユーザーの間に値上げを了承するところが現れ、次いで大手需要家の中にも話し合いに応じるところが相次いで出始めている。
 
 ポリエチレン(LDPEならびにHDPE)については、月間取り引き数量が20トン前後の規模のユーザーの間に、またポリプロピレンでは同50トンクラスの需要家の中にそれぞれ6月1日からの値上げに同意を表明するところが多い。
 
 同社が打ち出した今回の値上げの上げ幅は1キログラム当たり15円。対象は、かねてから“ナフサ価格スライド制”を受け入れている自動車メーカーのようなユーザーを除く需要家の全てとなっている。
 今回の値上げは、原料ナフサ価格の異常なまでの高騰を背景とするものだけに需要家の間にも拒否し切れないとの空気が広まり、比較的早い段階で具体的な話し合いのテーブルに着くところが増えている。こうした中では、“ナフサ価格スライド制”への移行を打ち出すところも出てきている。欧米型の価格決定システムに変えることが経営効率上からも得策と考える向きが増えてきたわけで、この点からも今後の双方の話し合いの行方が注目される。