2004年09月02日
三井化学、各需要家BPAでも第3次値上げの同意得る
4次修正も検討、品繰り難で海外から急遽輸入の必要も
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は大手ポリカーボネートメーカーなど大口需要家各社との間でビスフェノールA(BPA)の第3次価格修正の交渉を進めていたが、このほどすべての需要家から同意を得た。

 上げ幅はキログラム33円。対象は8月の出荷分から。出発原料のベンゼンやナフサの急騰に伴うコストアップ分を製品価格に転嫁するため打ち出していた同33円の引き上げ要求が需要家各社にそのまま受け入れられた。

 この結果、同社のBPAの国内向け価格は4月、7月そして今回の都合3回で計63円引き上げられたことになる。これを受けてポリカーボネートメーカーやエポキシメーカーなど需要家各社は相次いで製品価格への転嫁に乗り出す構え。各社とも、いずれの製品も需要がIT関連市場を中心に予想以上に拡大しているので、早期実現を図りたいとしている。

 今回の第3次値上げを需要家各社が受け入れたのは、BPAの需給バランスが需要の拡大によって急速にタイト化してきたため、多くのユーザーが原料確保に先行き不安感を募らせ始めてきたことによるところが大きいと見られる。

 現に、三井化学では、最近の国内ユーザーの活発な引き合いに国内の設備だけでは応じられなくなりつつあり、このためシンガポールの子会社から急遽輸入することも検討している。しかし、BPAの価格は海外でも需給の逼迫を反映して急上昇しており、現在のアジア市況は日本の価格を明らかに上回るレベルに達している。

 三井化学では、9月以降の原料価格の再騰の公算が濃厚なことに加えて、こうしたアジア相場と国内価格との乖離の解消が急務なこともあって、第4次値上げの検討に入っている。来週中には明確な計画を打ち上げることになりそう。