2004年09月09日 |
SMプラントの定修が相次ぎスタート |
9〜10月に3社合計年産96万トン装置が運休 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ケミカルズ、出光興産 |
スチレンモノマー(SM)メーカーによる定修が各地で相次いでスタートした。8月25日から11月10日までの間に、3社合計年産96万4,000トン能力のSMプラントがそれぞれ40日内外運休して定修を実施する。総設備能力の29%が運休となるわけで、これに伴い当面のアジア全域の需給バランスは一段と逼迫する見通しにある。 この秋に定修を実施するのは太陽石油化学、旭ケミカルズ、出光興産の3社。うち太陽石油化学は、宇部工場の年産29万4,000トンプラントを8月25日に運休して現在定修を実施中のところ。定修期間は9月28日までの35日間となる見込み。 これに続いているのは旭化成ケミカルズ・水島工場内の3系列合計同78万トンプラントのうちの最新の同33万トン装置。8日に運休、向こう40日間にわたって法定定修を実施する計画。 一方の出光興産は、徳山工場内の2系列合計同34万トン装置の定修を予定している。うち同12万トン能力の第1号機を9月12日から10月16日まで、そして同22万トンの第2号機を9月14日から11月10日までそれぞれ運休することにしている。 わが国のSMの現有総設備能力は、9社合計同331万8,000トン。対する需要は内外ともに関係者の当初の予想を大きく上回るペースで拡大、1〜7月の出荷の累計は前年同期の実績を8.3%上回って203万6,413トンとなっている。単純月間平均数量は29万900トンであり、年間では349万トンということになる。年ベースでは完全に総設備能力を上回る規模となっている。現在もすでに各社ともフル稼働してなお内外の旺盛な注文をこなし切れない状況にあるとしている。 こうした中での定修の集中とあって、各社とも予め蓄積してきた在庫の放出などで供給責任を果たすのに大童のところ。原料ベンゼンの大幅な上昇への対策も含め、暫くはSM各社とも苦しい市場対応を迫られることになりそう。 |