2004年09月10日
旭化成ケミも苛性ソーダ価格を再修正へ
電力費等のアップに対応、液体塩素等も再値上げ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ケミカルズ、東ソー

 旭化成ケミカルズは、9月13日出荷分から苛性ソーダの販売価格をキログラム当たり5円(固形換算ベース)引き上げる。東ソーよりも2週間早い実施となる。合わせて、液体塩素、塩酸、次亜塩素酸ソーダの価格も再修正する。上げ幅は、液体塩素と次亜塩素酸ソーダが同5円、塩酸が同3円。
 
 同社の場合も、苛性ソーダの値上げは東ソーなど他のソーダメーカーと同様に今回がこの1年で2度目のものとなる。前回は昨年7月に同5円の値上げを打ち出したがユーザー各社の強い抵抗を受けて十分な成果を上げることができないまま終わっている。そうした中で原油ならびに石炭の価格の急上昇に伴って電力費が高騰してきたため採算が一段と悪化、さらに輸入工業塩の値上げも必至の見通しとなってきたことから再修正に踏み切ることにしたもの。豪州や米国からの注文の活発化もあって、需給バランスがタイト化しつつある点が同社にとってもフォローウインドウとなりそう。
 
 液体塩素や塩酸等についても、新用途の開拓が順調に進み始めたことや生産能力の縮小、さらには一部の操業トラブル等もあって全体に需給が引き締まってきている。同社では、今後もタイトバランスが続くと判断しており、そうした環境の好転を背景に原燃料の高騰分を円滑に転嫁していきたいとしている。