2004年09月13日
上海南部にエチレン300万トンのベルト地帯
奉賢区が隣接の金山区と協力し建設
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:BASF、バイエル

 中国の華東地区に石油化学工業の一大ベルト地帯が構築される見通しとなった。これは上海市の奉賢区(上海南部)が明らかにしたもので、来年4月に上海化学工業区(2010年まで1,500億元を投入)に完成するエチレン年産100万トン設備(BP、BASF、バイエル、地元の合弁)に加え、さらに100万トン設備を建設、隣接している金山区の年産90万トンをあわせ、300万トンクラスの国際的な石油化学センターとする考え。来日中の黄祖光・上海化学工業区奉賢分区管理委員主任が明らかにしたもの。
 
 年産300万トンクラスのエチレン・センターは、広東省恵州市のエチレン90万トン(英蘭シェル)、南京市の100万トン(独BASF)、福建省泉州市の80万トンを大きく上回ることになる。
 
 奉賢区は上海市工業総合開発区のA区とB区、化学工業区、海港総合経済開発区の大きな経済開発4計画を進めている。電子情報、バイオ医薬、精密化学、物流設備、送配電設備などの育成をねらっている。交通や港湾の利便性もあり、世界的な物流センターも構築したい考えで「ワンドア式」の輸出加工区の活用にも力を入れている。
 
 同奉賢分区は市の中心から55キロ、浦東、虹橋両空港まで50キロ以内で高速道路、鉄道、海上輸送にも恵まれている。同区は外資企業に所得税を5年間免除するなどの優遇措置を講じている。
 
 誘致する業種は、スチレン、ポリカーボネート、イソシアネートなどを利用するファインケミカル、製薬、化学繊維、プラスチック製品、包装資材、化学工業用機械など。黄主任は「杭州市とは60キロていどの距離なので、その周辺の石油化学産業とも提携して、国際化をめざしたい」としている。問い合わせは奉賢区駐日本事務所、TEL/03-3478-5618。