2001年11月01日
三井化学のLCD用反射材料の人気一段と上昇
新型パソコン等のディスプレーに相次ぎ採用される
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三井化学

 液晶ディスプレー(LCD)用に三井化学が企業化している反射材料の人気が、フラットパネルディスプレー関連業界の間で一段と高まってきた。光の反射率が高いため画素数が増えても十分に画面輝度の向上が図れ、また、耐熱性にも優れている点が評価されてのもので、この1ヵ月の間に発売された新型パソコンのモニター画面には相次いで同社の新規反射材料が採用され搭載されている。
 
 現在三井化学が手がけている反射材料は、正反射タイプの銀反射板(商品名・シルバーリフレクター)と拡散反射タイプの白反射フィルム(同・レフスター)の2種。前者は、PETフィルムに同社特有の技術で銀をスパッタリングしたもの。一方の後者は、PPフィルムに無機フィラーを混入して製品化したもの。
 今回採用されたのは、両者の特徴を組み合わせた新タイプの材料。LCDにはこれらがワンセットで使われるケースが多い。

 同社がこれらの製品の開発に成功して上市に踏み切ったのは4年前。いらい、LCDの急速な普及に伴い順調な伸びを遂げてきた。中でも「シルバーリフレクター」の伸びは年率20%と高く、同社の現在の市場占有率は70%近くにもなっているという。
 いずれも、同社特有の高分子素材料と独自の複合技術(スパッタリングなど)とを最適のかたちに組み合わせることでシビアな市場ニーズにマッチした製品に仕上げることに成功したもの。この点について同社機能化学品事業部門電子情報材料事業部の工藤昭英部長は、「“ユニークな素材をベースに、ぬる、はる、かさねる三井化学”をキャッチフレーズに研究開発を進めてきた結果が実を結びつつあるところ」と解説する。多くのエレクトロニクス関連材料が厳しい局面に遭遇している中でこうした新タイプの反射材料が成長をどう維持していくかが注目される。