2004年09月17日
東レ、検出感度100倍の「次世代DNAチップ基板」開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

 東レは17日、従来のDNAチップ基板に比べて検出感度が最大100倍高く、再現性の優れた次世代DNAチップ基板の開発に世界で初めて成功したと発表した。
 
 京都大学薬学部の辻本豪三教授との連携によって技術コンセプトを確立、研究は昨年設立した先端融合研究所で行った。 今後、このDNAチップ基板を世界的なデファクトスタンダードにするため、各種研究機関とのアライアンスなどビジネスモデルを構築。また、東レ独自のコンテンツを搭載したDNAチップについても2年以内の上市を目指す。
 
 本DNAチップ基板の最大の特徴は、(1)超高感度と(2)高再現性で、将来、医薬・医療分野で多くの革新(波及効果)が期待されるとしている。
 
 (1)超高感度
 一般に、ヒト組織・血液などの検体から抽出できるDNA量は重量比で0.1%未満であり、十分な量(数十mg数g)の検体を採取するために手術するなど、患者に身体的・精神的な負担を強いているのが現状。本DNAチップ基板は、生検などで得られる極微量の検体(数mg)で検査・診断が可能なため、患者への身体的・精神的な負担を大幅に軽減できる。 
 
 (2)高再現性
  S/N比を飛躍的に高めることに成功したため、「遺伝子発現量と検出量との相関性」つまり定量性が大幅に向上し、反応した遺伝子を非常に正確に検出できるため、癌などの重大疾患の悪性度や予後(病気の経過や結果の予測)、薬の効き具合、副作用、転移のしやすさなどの予測が、確度高くできるようになる。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/0917tohre.pdf