2004年09月21日 |
EVAの需要、内外とも一段と活発に |
LDPE各社、育成・強化に積極的 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
EVA(エチレン酢ビコポリマー)の需要が国内外ともに下期に入って一段と活発化、7月と8月の出荷数量の対前年同月比はいずれも2けた増となった。7月は15%、8月は24%それぞれ前年同月を上回っている。 うち国内向けは7月が7%増、8月が9%増であり、一方の輸出は7月が39%増、8月が56%増となっている。いずれもポリオレフィンの中では異例といえる高い伸び率だ。 国内向けの伸張は、かねてからの最大消費分野であるフィルム・ラミネート向けの需要が大幅な伸びを遂げているのに加えて、従来の分類の枠内に収められないいわゆる“その他分野向け”が2けたの伸びを続けていることによるもの。輸出の大幅増は、中国からの引き合いの急増によるものと見られる。 これに伴い、1月から8月までの出荷の累計は前年同期の9%増となった。国内向けは9%、輸出は10%それぞれ前年同期を上回っている。国内向けの中では「その他向け」が30%もの伸びを遂げている点が注目される。 EVAの需要はこの数年低迷を続けてきた。過去5年の間で年間出荷数量が前年を上回ったのは99年の1%増と02年の8%増の2回だけ。あとの3年は00年の5%減、01年の8%減、03年の3%減となっており、この結果03年の総出荷数量は、5年前の98年の実績をなお6%下回るレベルにとどまっている。 しかし今年はこのままいくと、史上最高量を記録することになる。LDPEメーカーの多くがポリエチレン事業の充実・強化策の一つとして、高付加価値型ポリマーのEVAの事業拡充に積極的に取り組み始めたことによるところが大きいと見られる。同樹脂の今年1〜8月の出荷の累計は国内向け10万200トン、輸出4万6,000トンの合計14万6,100トンとなっている。 |