2004年09月22日 |
樹脂加工業界に"ナフサリンク制"容認の動き広がる |
第3次価格修正の交渉の中で一気に加速 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:日本ポリプロ、三井化学 |
日本ポリプロ、三井化学など主要ポリオレフィンメーカーによると、樹脂価格をナフサ価格の変動に合わせて四半期ごとに先決めすることを基本とするいわゆる"ナフサリンク制"への移行を容認するユーザーがポリオレフィンの加工業界の間で相次いで出始めた。8月下旬以降各地で進められている第3次価格修正の交渉の場でのポリオレフィン各社の説得に対して多くの加工メーカーが受け入れを表明し始めたもの。 ナフサリンク制は、欧米先進国はもとよりアジア諸国でもごく当然のシステムとしてかねてから位置づけられており、わが国でも自動車メーカー、家電メーカー、電線メーカーなど大口ユーザーはいち早く採用に踏み切っている。また、化成品の世界でも普及率はかなり高くなっている。ところが、汎用品種のウエートが比較的高いフィルムメーカーや成形加工メーカーの多くは古くからの商慣行に対するこだわりを捨てきれずレジン各社の説得に対して態度を鮮明にしないままきている。 こうした中で、ポリオレフィンメーカーは、価格決定の透明性や公平性を確保するには同制度を市場全体に広めていくことが樹脂メーカーに取っても需要家にとっても不可欠との判断、この1〜2年は多くの精力を加工メーカーとの説得に傾注している。 その結果、今年春以降は、医療器具や食品容器の加工メーカーなどの間で採用に踏み切るところが相次ぐようになってきていたが、ここにきて広がりに加速がつき始めているもの。 産業用フィルムメーカーやコンテナー・パレットメーカーの中で第4・四半期からの移行に同意するところが多いという。日本ポリプロや三井化学などでは、10月1日からの同制度の採用ユーザー数は取り引き先の70%前後になる見通しだとしている。 需要家の間にも、ナフサ価格の変動を無視した企業経営の展開は無理との判断が定着しはじめ、なによりも重要なのは製品価格への早期転嫁との観念が急速に広まってきたことが大きいと見られる。月内にはこうした動きがさらに広まっていくことになりそう。 |