2001年10月31日
プラ協、廃プラ処理・処分のLCA調査研究報告書作成
初めての“バスケット法”を採用
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会

 プラスチック処理促進協会は31日、同協会がまとめた「プラスチック廃棄物の処理・処分に関するLCA調査研究報告書」の概要を発表した。

 これは、マテリアルリサイクル(MR)、ケミカルリサイクル(CR)、サーマルリサイクル(TR)の3種類のリサイクル手法それぞれを対象に、新たな評価手法である「バスケット法」を採用して実施した評価結果をまとめたもの。それによると、どのリサイクル手法を採用するにせよ、単純に埋め立てるよりもリサイクルした方が環境負荷が低いことが明らかになったとしている。データの収集・評価に当たっては、東京水産大学の石川助教授を委員長とする専門の調査研究委員会を組織して実行を委ねた。
 今回の調査研究の重要ポイントは、評価の公平・公正性を確保するためわが国では初めての「バスケット法」を採用した点だ。同法は、それぞれの処理・処分方法で産出される製品とサービスを一致させた上で比較するという方法。例えば、産業系廃棄物をMRする場合と再資源化しないで埋め立てる場合とを比較する際には、“MR”プロセスと“埋め立て+バージン樹脂製造”を比較する必要があるので、埋め立て作業に必要なエネルギーと、MRで再生された樹脂と同量のバージンレジンの製造に必要なエネルギーを合わせて評価するという手法を取ったという。このため、埋め立てには大きなバージンレジン製造エネルギーが加算され、エネルギー消費量が大きくなるという結論になった。
 同報告書では、このほかに家庭系廃プラスチックのCRの評価や、同プラスチックのTRの評価、さらにはCRとTRの比較についても研究結果を詳細に紹介している。同法を採用しての評価は世界でもモデルといえるものがまだ確立されていないだけに、今回のリポートは関係各方面の注目を集めそう。