2004年09月27日
PEフィルム業界にも再値上げの機運広がる
レジンの第2〜3次値上げ分転嫁を目指す
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 原料レジンメーカー各社の相次ぐ値上げ表明を受けて、汎用樹脂の最大消費分野であるフィルムメーカーの間で製品の再値上げに踏み切る考えを固めるところが出始めた。最近はLDPEならびにHDPEによるフィルムメーカー大手が特に収支バランスの悪化に危機感を強めており、このため来月早々にもまずは大手が相次いで具体的な態度を表明することになると見られている。

 これは、今年春に実施された第1次値上げに続いて各種ポリエチレンメーカーが打ち出した第2次と第3次の2度の値上げ分をそのまま製品価格に転嫁しようというもの。上げ幅はメーカーによってあるいは取引数量の規模や品種によって異なることになるが、キログラム単位では30円、最悪の場合でも20円以上の値上げを目指すところが大半を占めるのではないかと見られる。

 最近のポリエチレンフィルムの需要は、一般景気の回復軌道に乗って拡大傾向にある。加えて中国のPE袋メーカーが対日輸出価格を引き上げる動きを取りはじめたこともプラスに作用して、需給のバランスは急速に引き締まってきている。

一方、PEフィルムメーカーの多くは、原料レジンの需給の逼迫度合いから見てPEの3次値上げを全面的に押し戻すのは不可能との判断も強めている。こうしたことから最近はフィルムメーカーの間には、需給バランスの好転の機を捉えて再修正に踏み切るべきとの考えを固めるところが増えてきたわけで、こうした考えは日を追ってフィルム業界全体に広がっていくものと見られる。