2004年09月30日
PE袋の輸入価格が反騰、8月は今年最高値に
数量は引き続き中国品を中心に拡大
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 かねてから拡大が続いているポリエチレン袋の輸入通関数量(速報ベース)は、8月も前年同月を大きく上回った。しかし、キログラム当たりの加重平均価格はこれまでの下降傾向に歯止めがかかって前年同月を大幅に上回るレベルとなった。中国をはじめとしたアジア各国のPE袋メーカーが購入原料樹脂の高騰に対応して対日輸出価格の是正に動き始めたものとして注目される。
 
 PE袋の8月の輸入通関数量は3万4,792トンで、前年同月の実績を10.6%上回った。依然として中国品が最も多く、全体の43.1%の相当する1万5,002トンとなった。前年同月比は10.1%増となっている。以下は、インドネシア品の6,149トン(前年同月比32.0%増)、タイ品の6,092トン(同18.0%増)、マレーシア品の2,658トン(同2.1%減)、フィリピン品の1,655トン(同3.7%減)--などが続いている。
 全体の輸入価格の平均は163円となっている。前月を6円、前年同月を15円上回っている。今年に入っての最高値である。ボトムの2月に比べると24円高い。
 これには、この春以降顕在化してきた原料レジンのアジア相場の急上昇によって採算を大きく圧迫されるようになってきたアジア各地の加工企業が相次いで対日輸出価格の引き上げに乗り出したことが少なからず作用していると見られる。関係筋によると、9月の輸入価格はより大幅なアップ率になっているという。02年以降下降の一途をたどってきたPE袋の輸入価格だが、このままいくと国産PE袋との値差はかなり縮小しそうだ。
 
 なお、同製品の今年1月から8月までの輸入の累計は26万8,528トンとなっている。前年同期を11.4%上回る規模である。トップは中国品で同2.8%増の11万6,554トン、以下はインドネシア品の同26.4%増の4万7,319トン、タイ品の同18.0%増の4万6,006トン、マレーシア品の同5.1%増の2万1,355トン--等となっている。