2004年10月01日
PEフィルムメーカーも第3次値上げへ
1CC当たり2銭を目標に需要家に説明を開始
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 ポリエチレンフィルムの大手メーカーの一つであるジェイフィルムは、原料樹脂の価格高騰に対処して10月出荷分からPEフィルム全品種の第3次値上げを実施する方針を固め、需要家各社に対する説明と説得を開始した。同フィルムメーカーの間では、来週明けから同様の動きが急速に広まっていく見通しにある。
 
 ジェイフィルムが実現を目指す上げ幅は、1CC当たり2銭。率にすると平均10%となる。今回の価格修正も過去2回のケースと同様に原料樹脂の高騰分をそのまま製品価格に転嫁するためのもの。同社の場合も、8月末以降PE各社から10月1日の出荷分以降キログラム当たり12〜15円の第3次値上げを受け入れるよう強く迫られ、当初はそれを押し返してきたが、拒否するとただちに供給をカットされることになるため結局は容認せざるを得なくなったとしている。
 ポリエチレンの現在の需給バランスは、多くの石油化学製品と同様に世界全体にタイト化が進んでおり、国産品の値上げを拒否して海外から玉を手当てしようとしても国産品をかなり上回る価格でないと入手できなくなってきている。最近は、コンバータやスーパーなど需要家もそうした事態は十分認識しており、このため過去2回のフィルム価格の修正もおおおむね受け入れてきた。第3次修正に対しての反応はまだはっきりしたかたちで現われていないが、同フィルムメーカーの多くは、原料樹脂の値上げを回避できない以上今回も製品価格への転嫁に全力を投入していくほかないとしている。