2004年10月05日
東洋紡、PPとL-LDPEのフィルムを再値上げへ
10月21日出荷分から1CC当たり3銭引き上げ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:東洋紡

 東洋紡はポリオレフィンフィルム3品種の価格を10月21日から再修正することにして4日、需要家のコンバータ各社に説明するとともに説得を開始した。
 
 対象となるのは、ポリプロピレン延伸フィルム(商品名パイレンOPP)、同無延伸フィルム(同パイレンCPP)、L-LDPEフィルム(同リックスLL)の3品種。上げ幅は、1CC当たり3銭。20ミクロン換算で1連当たり300円の値上げとなる。アップ率はおおむね15%になるという。
 いずれも今年春に続く2度目の値上げとなる。うちOPPとCPPの再値上げの表明は、今回の東洋紡が両フィルム業界で初めて。
 
 今回の値上も、原料樹脂価格の高騰と各種燃料費の高騰分とを製品価格に転嫁することを目的としたもの。樹脂価格は今年春と夏に相次いで引き上げられ、さらにこの10月1日以降の出荷分についてもキログラム12〜15円の第3次値上げが実施されつつある。樹脂メーカー側は、採算確保のためにはナフサの高騰分をその都度樹脂価格に転嫁していかざるを得ないとしており、したがって今回の第3次値上げについても、要求が受け入れられない場合は出荷を辞退する旨を表明している。樹脂各社がこのようにこれまでない強い態度に出ているのは、世界全体で需給バランスが極度に逼迫してきていて市況環境が完全に“売り手市場”に変わってきているため。
 大口ユーザーの東洋紡としても、こうした環境の変化の中では先ずは原料の安定確保を優先していくほかなく、このためPPL-LDPEの両樹脂の第3次値上げも容認する決意を固め、それに伴うコストアップ分と燃料費の上昇分を製品価格に転嫁していくことにしたもの。この中には夏に実施された原料樹脂の第2次値上げ分も含めている。
 赤字出荷を続けるわけにはいかないので、需要家各社にはどうしても要求を受け入れてもらうほかないと説明している。